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BRIAN SHINSEKAI|10曲のApple Musicプレイリストから紐解く音楽的ルーツ

2018年1月24日にビクターエンタテインメントのAndRecレーベルから1stアルバム「Entrée」をリリースし、メジャーデビューを果たすBRIAN SHINSEKAI。すでに発表されている「首飾りとアースガルド」「TRUE/GLUE」「2045(Theme of SHINSEKAI)」に続き、10月18日にアルバム収録曲「CICADA」が各種サブスクリプションサービスで配信され、その全貌が徐々に明らかになっている。

BRIAN SHINSEKAIというプロジェクトを解き明かす特集の2回目では、彼自身のフェイバリットソング10曲を集めたプレイリストを公開。各楽曲の解説を通し、彼自身の音楽的ルーツに迫る。

取材・文 / 森朋之

BRIAN SHINSEKAIが影響を受けた10曲

  1. The Sound Of Crying / Prefab Sprout
  2. Déjà vu(feat. Sia) / ジョルジオ・モロダー
  3. Under Control (feat. Hurts) / カルヴィン・ハリス
  4. Carried Away / Passion Pit
  5. Relax, Take It Easy / ミーカ
  6. Rain / 大江千里
  7. Amazing / ジョージ・マイケル
  8. Little Wonder / デヴィッド・ボウイ
  9. Calleth You, Cometh I / The Ark
  10. YES-YES-YES / オフコース

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自分にとっての80年代サウンドはプロデューサーが作った音

──特集の2回目は、BRIAN SHINSEKAIさんに制作してもらったプレイリストを通し、音楽的ルーツを探っていきたいと思います。1曲目は1980年代後半から活動しているイギリスのポップバンド、Prefab Sproutの「The Sound Of Crying」(1992年リリースのシングル)です。

ニューウェイブとシンクロしている部分もあるバンドなのですが、自分の中ではソフィスティケイトされたポップスという印象があって。特にこの曲はニューウェイブサウンドと洗練されたポップ感のバランスがいいんですよね。1990年代の渋谷系にも通じるネオアコ的な雰囲気もあるし、Steely Danのような緻密なところもあって。ここにヒップホップの要素が加われば、そのまま2017年の音楽として成立すると思います。もともと自分は職人的にポップスを作るアーティストが好きなんです。ELO(Electric Light Orchestra)のジェフ・リン(Vo, G)なども素晴らしいですが、もっと繊細な音作りをしているのがPrefab Sproutのパディ・マクアルーン(Vo, G)かなと。

──なるほど。2曲目はジョルジオ・モロダーの「Déjà vu(feat. Sia)」(2015年リリースのアルバム「Déjà Vu」収録曲)。ドナ・サマー、デヴィッド・ボウイなどの楽曲を手がけてきた伝説的プロデューサーの約30年ぶりの新作として話題を集めた楽曲ですね。

自分にとっての80年代サウンドは、ジョルジオ・モロダーやナイル・ロジャースなどのプロデューサーが作っていた音の印象が強いんですよね。この曲に関しては、全体的なサウンドメイクや、シーアをフィーチャーしていることも含めて、すごく新しいダンスミュージックというイメージがあって。80年代を回顧するのではなく、それを現代のサウンドに再構築しているところが素晴らしいし、僕自身もかなり影響を受けています。ジョルジオ・モロダーはDJをやるときもDeadmau5やカルヴィン・ハリスの曲をかけまくるんですよ。今も最新のサウンドにアプローチしているのが共感できますね。

──BRIAN SHINSEKAIのプロジェクトにもプロデューサー的な資質が生かされていそうですね。

そうですね。肉感的にやっているのはライブだけで、音楽制作はプロデューサー的な視点で進めているところが大きいので。

カルヴィン・ハリスのスタンスは参考になる

──そして3曲目はカルヴィン・ハリスの「Under Control(feat. Hurts)」です。

BRIAN SHINSEKAI

この曲は4枚目のアルバム「Motion」に収録されていて。1stアルバム「I Created Disco」は“ヘンタイ宅録アーティスト”という印象で(笑)、2ndアルバム「Ready for the Weekend」でEDMが入ってきて、3rdアルバム「18 Month」は完全にEDM。そして4枚目はアシッドハウス系のトラックがあって、音楽的な懐の深さがすごく感じられたんです。「Under Control(feat. Hurts)」はDepeche ModeやUltravoxみたいな要素もあって、新しい手触りのサウンドだったし、刺激を受けましたね。Hurtsも聴いてました。圧倒的に歌モノが好きなので、メロディありきで作ってるというところで琴線に触れたという言うか。

──カルヴィン・ハリスからはどんな影響を受けていますか?

まず、トラックの作り方がすごく緻密ですよね。彼はEDMのDJにくくられていますけど、僕にとってはニューウェイブ系のアーティストなんですよ。あと、個人的にはPrimal Screamのアルバム「Screamadelica」(1991年リリース)とも共通しているところがあると思っているんです。グラムロックや、The Smiths的なサウンドをクラブミュージックに乗せて表現したのが「Screamadelica」だと思うのですが、カルヴィン・ハリスもいろいろなジャンルのポップミュージックをEDMのトラックを使って再構築していて。そのスタンスは僕自身も参考にしています。

──4曲目はPassion Pitの「Carried Away」(2012年リリースのアルバム「Gossamer」収録曲)。2000年代の後半に登場したインディポップバンドのヒット曲ですね。

僕がPassion Pitを知ったのは2010年くらいなんですけど、当時、エレクトロを取り入れたポップバンドが次々とデビューしていて。中でもPassion Pitの音作りはとても緻密で、80'sの音楽を新しいポップミュージックとして提示していたんですよね。大きいビートとシンガロングしやすいメロディではなくて、綿密なコード進行としっかり練られたメロディラインも素晴らしいと思いましたし、日本の音楽とシンクロする部分も大きいんじゃないかなって。それは自分が得意なところでもあるし、彼らのアプローチはかなりヒントになりましたね。

BRIAN SHINSEKAI「Entrée」
BRIAN SHINSEKAI「Entrée」

2018年1月24日発売
Victor Entertainment / AndRec

Apple Music

収録曲
  1. 首飾りとアースガルド
  2. TRUE/GLUE
  3. Track3
  4. Track4
  5. Track5
  6. Track6
  7. Track7
  8. CICADA
  9. Track9
  10. Track10
  11. 2045(Theme of SHINSEKAI)
  12. Track12
BRIAN SHINSEKAI(ブライアンシンセカイ)
2009年、17歳のときにブライアン新世界名義で出場した「閃光ライオット」でファイナリストに。2011年に1stミニアルバム「LOW-HIGH-BOOTS」、2012年に2ndミニアルバム「NEW AGE REVOLUTION」を発売した。2013年にはバンドBryan Associates Clubを結成してライブ活動を展開。2016年11月に活動を休止したのち、2017年9月に新プロジェクトとしてBRIAN SHINSEKAIを始動させた。2018年1月にビクターエンタテインメントよりデビューアルバム「Entrée」をリリース。収録曲をアルバムの発売に先駆けてサブスクリプションサービスで順次先行配信するという試みで話題を集めている。