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“秋田書店らしいBL”でカチCOMI!拳が合わさるその瞬間、何かが生まれる

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カチCOMIのキャッチコピー案。

カチCOMIのキャッチコピー案。

秋田書店より刊行されている電子BL雑誌・カチCOMIのイベント「カチCOMIナイト ~今夜はロフトにカチCOMI!~」が、去る8月17日に東京・阿佐ヶ谷ロフトAにて開催。BL研究家・金田淳子と、カチCOMI編集部の山本氏、小山氏、吉川氏が登壇した。

カチCOMIは「お前と夜のタイマン勝負!!」をキャッチコピーに掲げる“アウトロー特化型電子BLマガジン”。ヤンキーや“オラオラ系”など悪い男をコンセプトに展開されるカチCOMIだが、「初めからヤンキー路線ではなかった」と創刊の経緯が語られる。“秋田書店らしいBL”を考えたときに、女性向けの強みであるファンタジー、歴史ものなども候補として上がっていたが、強い男たちが出てくるチャンピオン系列のイメージを思い浮かべたと述懐。秋田書店の“強み”を生かすべく、ヤンキー路線で方向性が定まっていった。

また雑誌名やキャッチコピーも、大人たちが真剣な表情を浮かべる会議の中で決まったと言う。スクリーンに映し出された当時のキャッチコピー案の中から、山本氏が自身で考えた「その愛に100億円払おう」について「自分でももう覚えてないんですけど、意味わからないですよね」と触れると、金田は「でもBLだとよくありますよね。『50億円で買ってきた』みたいな。これだけでBL感がある」と冷静に分析。そのほかにも「挿れるのは焼きだけじゃない」などといった、雑誌のコンセプトを象徴するキャッチーなボツ案が明かされた。

また表紙を担当するSHOOWAのラフも公開。睨み合う2人を描いた表紙にもストーリー性が込められていると言い、「(2人は)まだ受けと攻めが決まってない関係。勝負をして、これから決まる。拳で語り合って始まるものがある」「拳が合わさる(タイマンやケンカは)極限状態。その瞬間に何かが生まれると思っている」「邪魔なものは全部取っ払っている状態。一番自分の素の部分を出している」と、編集者3名が次々とヤンキー系BLの魅力について語っていった。

イベントは第2部へと突入し、4名に加え、同誌にて「ギルティアイランド-有罪愛島-」を連載中の一宮思帆、「スピニングハートキックアウト」を連載中の夏來ジッポの2名も登壇。2人の作品の設定資料やネームが公開される。ヤンキー男子の三角関係を描く「スピニングハートキックアウト」の設定資料を見て、山本氏が「前髪が上がってるヤンキーがすごくいい」とポイントを語ると、夏來は「おでこが出てる受けが好きなんです。全部上げてるのじゃなくて、ちょっと垂れてるやつ」とコメント。金田も「私もそれが一番好きです!」と共感し合った。

極東マフィア集団を描く「ギルティアイランド-有罪愛島-」について、金田が「思帆先生のBLマンガに元気な女子が出てくるところが好き」と話すと、一宮は「女の子が居ないのって、世界観としてちょっと不自然じゃないですか。リアルさを若干出すために女の子も描いている」と説明した。またイベントでは各々のBLとの出会いや、好きなヤンキーものの作品などの話で盛り上がる。話の流れから「ゾンビのBL、“ゾンBL(ゾンビーエル)”いいじゃないですか」との話題も飛び出し、「2つの意味で腐る」「こいつ腐ってやがる」などといった、秀逸なキャッチコピーが早くも飛び出した。

最後に山本氏は「ヤンキー受けにはいろいろ夢が詰まっている。介護BLだってできるし、ヤンキーの可能性は大きい。今後はガチムチ系のBLも始めたいと思っています」、小山氏は「カチCOMIは多種多様なヤンキー、アウトロー、クズが居る。ジャンルは違えど、あるのは“カチCOMI魂”。普通のBLとは違うところをどんどんお届けしたい」、吉川氏は「“秋田書店らしい”というところからスタートした企画ですが、唯一無二を目指していきたい。ヤンキー受けをもっと広めていければ」とそれぞれ抱負を語った。

またイベントの最後には、近日中にカチCOMIが月刊化されることも発表。さらに10月6日から、月刊少年チャンピオンのTwitterやInstagramなどのSNSツールにて、BLテイストの1ページマンガを毎日更新していく企画が予定されていることも明らかに。今後発表される詳細を楽しみにしておこう。

※記事初出時、出演者名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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